地球の影には2種類があります。
本影と半影です。
本影とは太陽を地球が完全にさえぎる場合に生じる影の領域で、半影とは太陽を地球が部分的にさえぎるばあいに生まれる影の領域です。
半影は本影に近い場所ほど暗くなります。
太陽がもし完全に点光源とみなすことができるなら、地球が太陽を部分的にさえぎるということは、理論上ありえません。
したがって太陽の影はすべて本影になります。
しかし太陽の実際は、大きさと広さのある光源です。
そのため地球が太陽を部分的にさえぎることも可能なので、実際は本影だけでなく、半影も生じます。
地球の影の大きさとは?!
地球の影は、3つの値によって決まります。
太陽と地球の距離と、太陽の直径、地球の直径です。
たとえ地球の大きさが同じであっても、太陽と地球の距離が近いと地球が隠すことのできる太陽の部分は小さくなり、距離が遠ざかるにつれて、太陽のほとんどすべての部分を隠すことができるようになります。
このため本影の長さは太陽に近いほど短くなり、遠くなるほど長くなるのが一般的です。
その一方で、地球の大きさに関しては、地球が大きいほど太陽を隠せる範囲も大きくなります。
したがって太陽と地球の距離 = 149,600,000 キロメール、太陽の半径 = 696,000 キロメートル、地球の半径 =6,379 キロメール、という値を用いて計算すると、地球の本影の長さ= 1,382,000キロメートル、になります。
本影の形は地球を底面とする円錐形です。
すなわち、地球の影の大きさは、約140万キロメートルです。
また同じようなやり方で、太陽系内の他の惑星の本影の長さを計算することも可能です。
- 水星=21万キロメートル
- 金星=94万キロメートル
- 火星=120万キロメートル
- 木星=9,240万キロメートル
- 土星=1億3000万キロメートル
- 天王星=1億1,500万キロメートル
- 海王星=1億6,600万キロメートル
まとめ
本影には決められた長さがありますが、半影はどうなるのでしょうか?
半影は本影を越えて長く伸びて行きます。
観測できるかどうかは別として、どこまでも長く伸びていきます。
たとえば、水星や金星の本影は地球まで届くことは決してありませんが、望遠鏡を使うことで、これらの小さな惑星が太陽の前を通過していく様子が、影の変化によってわかります。
この方法は、太陽系外の未知の恒星が、惑星を持っているかどうかを判別するためにも使われます。
目的の恒星に惑星があるとすれば、その惑星が恒星の出す光を邪魔するため、規則正しいリズムで明るさが少し減少します。
この惑星の発見方法を「トランジット法」と呼びます。