地球上で一番強い生き物は何でしょうか?
向かうところ敵なしの、無敵の力強い生き物でしょうか?
たとえ世界が滅んでもしぶとく生き残るようなタフな生き物でしょうか?
ものの見方の違いによって、最強の生物は異なってきます。
地球上で一番強い生き物とは??
地上で最強の生き物といえば、アフリカゾウです。
発情期のアフリカゾウは特に凶暴になるそうです。
そして怒り狂ったアフリカゾウに勝てる相手は存在しません。
サイやカバであっても簡単に負けてしまいます。
アフリカゾウは、体長7.5メートル、高さ4メートル、体重10トンのパワーであらゆるものを踏み潰して進みます。
超重量級の体重にもかかわらず、走るスピードは時速40キロメートルと機敏です。
しかも皮膚は分厚く、3.5メートルに達する長い牙の威力も無視できません。
ライオンなどチームで狩りをする肉食動物も、ゾウとサイだけは狩りの対象としないそうです。
一方水中には、また別の最強の生き物が住んでいます。
シャチです。
シャチは海の食物連鎖の頂点にあたる生物で、「海の王者」としても知られています。
オスは体長6.5メートルで体重5トン、メスは体長5.5メートルで体重3.5トンの堂々とした体格を誇ります。
時速70キロメートルで泳ぐなど、動作も機敏です。
シャチの武器はそれだけではありません。
シャチは知能が高いうえ、チームプレーも得意です。
共同で奇襲攻撃を実行し、アザラシやアシカだけでなく、クジラのような超大型生物までしとめてしまうことがあるそうです。
地球で一番強い生き物は、しかしながら、単に「力の強い生き物」だけを意味しているのではないかもしれません。
どんなきびしい環境でも生き抜くだけのタフさを備えた小さな生物たちの中にも、別の意味で「地球で一番強い生き物」の候補となるものがいるのです。
そのような生物の代表格として、クマムシがあげられます。
クマムシは、緩歩動物(かんぽどうぶつ)門に属する動物の総称で、体長は50マイクロメートル1.7ミリメートルという小さな虫たちのことです。
1,000種類以上のクマムシが存在しています。
熱帯から極地方までまんべんなく、海底、高山、温泉の中といった環境にも適応して生息しています。
顕微鏡で拡大してみると、クマムシの見た目はサイと熊が合体したような形で、8本の脚で熊のようにゆっくりゆっくり歩きます。
クマムシの最大の特徴は、とにかくタフなことです。
宇宙空間でも10日間くらいは生きています。
絶対零度(マイナス273℃)に近い環境でも150℃くらいの高温でも生きることができます。
75,000気圧の圧力がかかる深海の海底でも生きることができます。
凍ってしまっても解凍すれば生き返るし、からからに乾いてしまっても水を与えれば復活します。
これだけでもクマムシが過酷な環境でも生存できるタフな生き物であることがわかりますが、さらにびっくりしてしまうことがあります。
それは、多量の放射線を当ててもクマムシは平気だということです。
人間だったら500レントゲンでダウンするのに対して、クマムシは570,000レントゲンまで大丈夫です。
この驚異的なサバイバル力はクマムシの特殊なDNAに由来します。
そのためクマムシのDNAは科学者たちの興味の的となっていて、現在さまざまな研究が行われているそうです。
まとめ
地球上の最強の生き物候補をいくつかあげてみました。
もしかしたらいくつか抜けがあるかもしれません。
たとえば過去の地球も含めるのなら「最強の恐竜は何か」をも含めて考えないと片手落ちでしょう。
また私たち人間も番外編として、このリストに登場させるべきかもしれません。
地球の環境を大きくかき回して、他の生き物に大きな迷惑をかけ続けているのは、他ならぬ人間自身だからです。