氷の下に海があるのではないかと予測されている木星の第二衛星、エウロパ。

そして海があるということは、私たち地球以外の生命がいるのではないかという可能性も秘めています。

木星の衛星エウロパに生命がいる?その可能性とは?

何故海があれば生命がいることにつながるかと言いますと、まずは地球の海の例を挙げてみます。

地球の海は、太古の昔、大気中の水蒸気が大雨になって地上に降り注ぎ生まれました。

海底からは高温の熱水が噴き出し、これに大気中のアンモニアやメタンといったガスが刺激されて化学反応を起こします。

それにより、核酸やアミノ酸、さらに複雑なたんぱく質、さらに遺伝子にまで変化していきました。

そしてこれらの物質が材料となって菌類が生まれ、海藻が生まれます。

海藻類は光合成をおこなって酸素を作ります。

紫外線が強いと生命は生きていけませんが、この段階で酸素と紫外線が反応することによってオゾン層が作られ、紫外線が弱まるので、生命が陸でも生活できるようになるのです。

このように、海はすべての生命の源ということで、氷の層の下に大海が広がっている可能性があり、また地球の海洋深海部に熱水の噴出孔も存在されていると考えられているエウロパは、地球外生命体がいる可能性が高い、というわけなのです。

因みに、このエウロパに近い構造をしていて、同じく海の存在が示唆されている衛星に、土星のエンケラドゥスという衛星もあります。

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木星の衛星、エウロパには魚がいる?!

前述した大海と、海底にある可能性のある熱水の噴出孔、あるいはそれに似た環境があるとすると、エウロパには生命体が存在しないとおかしいレベルだという研究者もいるのだそうです。

理論上で言うならば、魚のような生命体が少なくとも300万tは生息できる環境ということで、エウロパでの事前調査でのサンプル採集に期待がかかります。

まとめ

氷に覆われていると聞くと、そんな極寒で生物が生存できるのかという疑問が浮かびますが、地球での南極のボストーク湖に近い環境だと推測されており、最近の研究では太陽光が届かないようなところでも、熱水噴出孔があればそこから得るエネルギーによって独立した生態系にて生存できる生物もいるということで、より一層期待がかかっています。

木星周辺は高放射線環境と地球からの途方もない距離がネックとなり未だ調査が進んでいません。

もしかしたらこの先の技術の進歩によってその全容が明らかになる日もあるのかもしれません。