金星は地球と近い距離の軌道をまわっています。
金星と地球が一番接近するときは、その距離は4000万kmほどまで接近します。
そして金星と地球には大きさや質量など様々な面で似ている部分があり、この2つの惑星を双子と表現することもあるほどです。
近い距離にある金星が地球にここまで似ているのであれば、人類が金星に移住して生活基盤を形成することはできるのでしょうか?
ここで金星を地球化することの可能性について考えてみます。
金星を地球化することは可能か!?
国連の予測では世界の人口が2100年に、112億人に到達すると予測されています。
地球は100億人くらいまでなら地球上で食糧の確保ができるとされています。
しかし近い将来にそれが困難になるほど世界の人口が増える可能性があるなら、早くに解決策を探さなければいけません。
その一つの方法が、「第2の地球」を作ることです。
第2の地球の候補に挙がっている惑星は火星が知られていますが、宇宙移民を提唱する学者の中には金星を支持している人もいます。
その人達は、金星を地球化するにはメリットをいくつかあると言っています。
メリットの一つは、金星は地球に類似する部分がいくつもあることです。
金星は大きさや質量が地球とほとんど変わらないので、その結果重力もほぼ同じになります。
重力が地球にいる時とほぼ変わらないということは、金星滞在中の重力の変化による筋肉・骨・心臓などへのダメージが少なくてすみます。
これは無重力の宇宙旅行をするよりもかなり負担が少ないので、様々な年代の人が間単に適応できるようになると考えられます。
しかし金星を地球化するデメリットも考えられていて、金星の表面の温度は極めて高温で400~500℃くらいもあります。
沸騰した熱湯も比べ物にならない温度のところに暮らせるようになるのか、大きな疑問が残ります。
そして金星の大気圧にも大きな問題があり、気圧は地球の90倍でとても人間が耐えられる気圧ではありません。
他にも水が無いこと、酸素もほとんどない事、人の体に大きな害を与えるほど高濃度の二酸化炭素に包まれていることなど重大な課題が山積しています。
金星の地球化はメリットもありますが、まだまだ解決の見通しが立たない課題が多くあります。
これでは現時点では、地球化が可能とは考えられません。
まとめ
金星は地球と類似する事柄が複数ありますが、違いも大きいことも事実です。
酸素や水が無いことは暮らしに影響を与え、気圧や温度が高すぎることが困難なレベルです。
しかしこのまま地球上の人口が増える前に、何とか宇宙移民に明るい兆しが訪れることを願います。