金星は地上50~80kmもの厚い雲に覆われていると言われておりますが、なぜ、こんなに厚い雲に覆われているのでしょうか。
詳しく調べてみましょう。
金星の雲はなぜ厚いの?
遥か昔、わたし達が住んでいる地球と似た環境だった金星ですが、今は、まったく違います。
変化した原因の一つは、太陽です。
太陽が近い位置にあるために、海や川の水が蒸発し、その現象によって水に溶け込んでいた二酸化炭素が大気中に放出されたことによる二酸化炭素の温室効果によって表面温度が上昇しました。
蒸発→温度上昇が幾度なく繰り返された結果、平均表面温度400℃以上という灼熱の星になっていったと考えられております。
この繰り返しによって灼熱の星となった金星の上空50~80kmには、濃硫酸の厚い雲があります。
濃硫酸の雲は、400℃以上の高温をもつ金星地表面において、黄鉄鉱等が二酸化炭素・水と反応することによって、大気中に亜硫酸ガスを増大させます。
この濃硫酸の雲は、太陽からの光を反射する性質をもっておりますが、そのおかげで、わたし達は、明けの明星・宵の明星を楽しむことができるわけです。
ちなみに、この濃硫酸の雲が太陽光を反射する反射率は75%。
光輝く金星は太陽からの光で水が蒸発し、厚い雲に覆われることになりましたが、明るさ・輝きという点では太陽の恩恵を受けていたことになりますね。
また、反射と同時に、この濃硫酸の雲には赤外域を吸収する性質をもち、その性質が厚い雲をつくるための温室効果にも一役買っているということになります。
最後に、昨今、この雲に関する研究が進み、金星の雲は3層から成り立っていることが発表されました。
3層それぞれに数密度、粒径等は異なりますが、中でも、粒径に関しては、それぞれに特徴をもった3つのモードに分かれているとのことです。
このモードは、Mode 1・Mode 2・Mode 3と名付けられ、それぞれに研究が進められているとのことです。
まとめ
金星の雲はどの部分も相当の厚さがあり、はっきりとした模様は未だ不明のままです。
ですが、波長400 nm以下の紫~紫外域においては濃淡の模様がくっきりと見られるとのことです。