木星と地球は共に太陽のまわりを公転する惑星です。
したがって、木星と地球の互いの位置関係を決定しようとすると、とてもややこしい計算をひとつひとつこなしていかなければなりません。
そこで、木星と地球が最も接近する日時だけを追っかけてみることにします。
この時期には木星が一晩中大きく輝いていて、木星観測の好機です。
木星が地球と最も接近する時期について
木星が地球に最も接近するのは、地球からみて、太陽と木星が衝の位置になったときです。
衝のときは、太陽と木星を直線で結んだ中点の場所に地球が位置することになるので、地球と木星の距離は一番短くなります。
衝のときには木星を一晩中観測することが可能で、しかも木星は平均マイナス2.5等星くらいの明るさで輝きます。
地球から見た衝から衝までの間隔は約399日なので、おおよそ1年1か月に1回、木星が地球に接近することになります。
木星の衝は、直近では2018年5月10日に起こりました。
木星と地球が最も近くなる距離を厳密に求めるのなら、木星が近日点に位置しているときに衝が起こるとベストな条件となります。
これは太陽の周囲をやや楕円形の軌道を描いて公転している木星が、太陽に最も近い距離にあるときに、衝が起こることを意味します。
この条件であると木星はさらに明るく輝き、マイナス2.9等星の大きさになります。
木星が近日点を通過した直近の日付は2011年3月18日でした。
次の近日点通過は2023年1月です。
したがって2023年1月に一番近い衝の時期である2023年11月13日の前後に地球と木星が最接近する時期が来ると、予測できます。
以上の説明を踏まえた上で、2011年以降2030年までの、木星と地球が最接近する年月日を、次のとおり示します。
- 2011年10月28日
- 2012年12月1日
- 2014年1月5日
- 2015年2月6日
- 2016年3月9日
- 2017年4月9日
- 2018年5月10日
- 2019年6月12日
- 2020年7月15日
- 2021年8月20日
- 2022年9月26日
- 2023年11月2日
- 2024年12月6日
- 2026年1月9日
- 2027年2月11日
- 2028年3月13日
- 2029年4月13日
- 2030年5月15日
まとめ
木星と地球が最も接近するのは、地球から見て太陽と木星が衝の関係にあるときです。
木星が近日点を通過する前後の時期の衝のころなら、距離が特に縮まります。