地球の重さって、未来永劫変わらないのでしょうか?
それともいつかは大きな変化があって、私たちが知っている地球より重く(あるいは軽く)なる日が来るのでしょうか?
そもそも現在、たとえごくわずかであっても重さの変化は起こっているのでしょうか?
地球の重さは実は変わる!
実は地球の重さは毎年すこしずつ軽くなっているのです。
地球は水素とヘリウムを毎年少しずつ放出しているからです。
水素とヘリウムはどちらも非常に軽いので、地球の重力では十分に引き止めておけないからです。
地球から放出される水素とヘリウムの量は、年間9万トンほどです。
その一方で、地球は少しずつ重くなっているのです。
それは宇宙を漂う物質を、地球の引力が引き付けるからです。
大半は塵のような物質ですが、なかには隕石も含まれています。
地球が引きつける宇宙空間の物質の量は、年間4万トンほどです。
したがって、地球から出ていく物質の量と地球に新しく引き付けられる物質の量を相殺すると、地球は1年で5万トンずつ軽くなっていることになります。
1年で5万トンすなわち5.0×10⁴トンというと、大変な重さの変化のように感じます。
しかし地球のもともとの大きさはおおよそ6.0×10²¹トンもあるので、変化はわずか10のマイナス17乗、つまり0.00000000000000001に過ぎません。
それでも地球の重さは変わらない!?
このように、地球の重さは毎年変化しているものの、地球全体のレベルからは無視が可能、といった結果が得られます。
しかし、地球の様子は日々変化しています。
世界の人口は既に70億人を越え、近い将来は90億人に達しようとしています。
世界中に大きなビルが建ち、開拓はどんどん進んでいます。
その一方地球温暖化の影響か南極や北極の氷は溶け始め、草原の砂漠化は進み、地球環境がひどく痛めつけられています。
しかし、これらの事態がどんなに進行しようと、地球の重さは全く変わりません。
どんな変化が起こっても、それはもともと地球上にあるものが地球上において形を変えただけだからです。
まとめ
地球は水素とヘリウムの減少により、ほんの少しずつ軽くなっています。
しかしその割合は全地球的なスケールで考えると、ほんの微々たる変化で、無視してしまって変わりません。
地球上の環境がどのように変わろうと、それが地球上に住む生き物が地球上の材料を使って地球上で起こした変化である限り、地球の重さは全く影響を受けないことも、頭に入れておく必要があります。
もちろん地球においても、数億年、数兆年といったスケールで考えれば、月が地球と合体するとか、巨大隕石が地球と激突するなどして、重さが大きく変化する可能性を否定することはできません。