私たちが生活するために必要不可欠なものは?

という問いにあなたは何と答えますか。

災害などを経験した人たちは「水」と答えます。

いくらお金があっても、水そのものがどこにもなければこれは大問題です。

地球は幸いなことに水に恵まれた惑星です。

海の水が太陽の熱に温められ蒸発し、それが雲となって風に乗り雨となっては地表を潤して、また海に流れだします。

このロボットのような動きが自然に繰り広げられています。

他の惑星について調べてみると、驚くような現実がありました。

なんと、金星には水がないというのです。

それは本当なのでしょうか。

金星に水はない?その代わりに硫酸の雨が降る?

金星は、太陽系の惑星のひとつです。

全ての惑星の公転の中心を位置する太陽から数えて、2番目の距離に軌道を描く地球型惑星です。

地球は、そのひとつ外側をまわっています。

金星は、太陽との距離や大きさ、体積、質量、重力をみれば地球とほぼ同じで、岩石でできている点でも地球と瓜二つの星なのです。

だとすれば、そこに私たちが住んでいてもおかしくないのですが、金星には人が住めない欠点があります。

それは大気の主成分が高濃度の二酸化炭素であることと、気圧が異常に高いこと、さらにはその結果500℃もの超高温状態だからです。

この二酸化炭素が温暖化現象を引き起こし、大気全体を高温にするだけでなく上空に至っても、地上のはるか60㎞前後に同じ成分からなる非常に厚手の太い雲を作っています。

私たちの知る雲は水滴または氷の粒からなり、そのおおもとは水です。

そしてそれが雨となり降るのです。

ところが、金星の雲は二酸化炭素に硫黄が含まれた二酸化硫黄の雲です。

この雲から降る雨は、硫酸となるわけです。

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しかし、この硫酸の雨は地上に届くことはないといいます。

それはなぜかというと、金星の欠点のひとつであるおよそ500℃もある温度に原因があり、あまりに高温なために硫酸の雨は途中で蒸発してしまいます。

すべてが悪循環になり、とんでもない状態です。

人どころか生物さえも生息するには過酷すぎる惑星のようです。

しかし、地球とよく似た部分をもつこの惑星には、その昔、実は温度や気圧までもが地球と同じようになっていて水も存在したのでは、という説を信じる人もいます。

もしも本当にそうだとしたら、今の地球が抱える温暖化現象は極めて重要視するべき問題なのかもしれません。

まとめ

金星では、高濃度の二酸化炭素が成分の大気が覆いその温室効果により地上近くはおよそ500℃もの温度を保っています。

その大気は金星の上空にも影響を及ぼし、とても分厚く深い雲となり金星に被さっています。

そこから降る雨の成分は、二酸化硫黄からなる硫酸です。

私たちからすれば相当危険な雨です。

しかしもっと恐ろしいのは、この危険な硫酸の雨ですら途中で蒸発してしまうという、驚くほど高温で過酷な金星の実情ではないでしょうか。